こんにちは！DAI研究員です！！
現代のキャリア観は、ひと昔前と大きく変わってきています。
かつては「昇進」「年収アップ」「肩書き」がキャリアの成功の象徴でした。
しかし今、特に若い世代を中心に、「やりがい」や「自己実現」を重視する価値観が広がっています。
現代は、昇進＝成功ではない？
かつての日本社会では、「昇進＝成功」という価値観が根強く存在していました。
年功序列の仕組みの中で、上司に認められ、管理職になることがキャリアのゴールとされていたからです。
しかし、近年その常識は大きく揺らいでいます。
その背景には以下のような社会的変化があります。
- 終身雇用制度の崩壊
一つの会社に一生勤めることが前提ではなくなったことで、企業の出世レースに全てを捧げる必要性が薄れました。 - 働き方改革と多様性の浸透
フルタイム正社員でなくても活躍できる社会が進行し、働く人それぞれの価値観が重要視されるようになりました。 - リモートワークや副業の一般化
場所や時間に縛られない働き方が普及し、職場の階層構造が相対的に弱まりました。
こうした変化の中で、「やりがいのある仕事をしたい」「自分らしく働きたい」という思いが多くの人に共通するようになってきたのです。
昇進よりも大切にしたい5つの価値観
では、具体的にどんな価値観が「昇進よりも大切」だと感じられているのでしょうか。
以下に5つの代表的な価値観を紹介します。
1. 自分らしさ（アイデンティティ）の尊重
多くの人が今、「自分の本音に正直でありたい」「自分らしい働き方をしたい」と考えています。
管理職に昇進すると、組織や会社の意向を優先せざるを得なくなり、自分の意見やスタイルを貫けないことも少なくありません。
そのため、「出世よりも自分らしさを大切にしたい」と考える人が増えているのです。
2. ワークライフバランスの確保
昇進は責任や業務量の増加を伴い、プライベートの時間を犠牲にすることもあります。
一方、やりがいを重視する人は、「家族との時間」「趣味」「健康」など、人生全体の充実を視野に入れています。
「仕事だけが人生じゃない」という考え方が、特にミレニアル世代以降では常識になりつつあります。
3. 社会的意義・貢献感
昇進や役職よりも、
「社会の役に立っている」「誰かを幸せにできている」
と感じることにモチベーションを持つ人が増えています。
特に福祉、教育、地域支援などの分野では、昇進による地位や収入よりも「使命感」が重視されています。
4. 学びと成長の実感
人は「自分が成長している」と感じる時に大きなやりがいを感じます。
単に組織をマネジメントするだけの仕事ではなく、専門スキルを高めたり、新たな挑戦ができたりする環境を選ぶ人が多くなっているのです。
5. 精神的な安定と人間関係
上司や部下との板挟みになるポジションよりも、穏やかで良好な人間関係の中で仕事を続けたいと望む人も増えています。
心の健康を犠牲にしてまで昇進することに価値を感じないという声も少なくありません。
昇進＝成功の時代は終わりつつある
これまでの価値観では、昇進が「能力の証明」「努力の成果」とされてきましたが、現代ではその評価軸は多様化しています。
たとえば──
- フリーランスとして自由に働く人
- スタートアップでゼロから価値を創造する人
- 小さな会社で裁量を持って働く人
彼らは、役職に関係なく充実感や幸福感を得ています。
むしろ「昇進しないこと」が、自由ややりがいを守る選択になることもあるのです。
昇進＝幸せとは限らない理由
1. 昇進は「責任の増加」であって「満足度の保証」ではない
昇進すると、権限と裁量が増える反面、責任も大きくなります。部下の管理や成果のプレッシャー、時間外労働の増加などに悩まされ、「思っていたより大変」と感じる人は少なくありません。
満足感よりもストレスが増えることも多いのです。
2. 本来やりたかった仕事から遠ざかるケースが多い
プレイヤーとしてスキルを活かしていた人が、昇進後はマネジメント中心の業務に移行し、「自分らしさ」を失ってしまうことがあります。
「現場が好きだったのに、管理職になってつまらない」と感じる人も多いのが現実です。
3. 社会的地位や年収の向上が、幸福感と比例しない
心理学の研究では、ある程度以上の年収や社会的地位が得られると、それ以上の増加は幸福度に影響を与えないことが分かっています。
つまり、「もっと上に行けば幸せになれる」という思い込みが外れる瞬間が来るのです。
4. 家族やプライベートが犠牲になることがある
昇進しても、それに見合ったワークライフバランスが保てなければ、家庭や健康に悪影響を及ぼします。
「出世してから家庭がうまくいかなくなった」という話は珍しくありません。
5. 組織の価値観と自分の価値観のズレに気づきやすい
上の役職になればなるほど、「組織の論理」や「政治的判断」が求められることも増えます。
「自分の正しさ」と「組織の正しさ」の間で葛藤が生じ、理想と現実のギャップに苦しむケースもあるのです。
やりがい重視のキャリアを築くためのステップ
ステップ1：自分にとっての「やりがい」を定義する
やりがいは人によって異なります。
- 人の役に立つこと
- 創造的な仕事
- 自由度の高い働き方
- 学びの多い環境
まずは、自分が何に喜びや充実感を感じるのか、過去の経験を振り返って明確にしましょう。
具体例：「自分はお客様の“ありがとう”の一言にやりがいを感じるタイプだった」など。
ステップ2：キャリアの軸を「役職」から「価値観」に変える
昇進や年収などの“外的指標”ではなく「自分が大切にしたいこと」を基準にキャリアを選びましょう。
例：
- 役職よりも働きがい
- 高収入よりも成長実感
- 名声よりも自由と安心感
これが「価値観ドリブンなキャリア選択」の第一歩です。
ステップ3：今の職場で「やりがい」を増やす工夫をする
やりがいのある仕事を求めて転職を考える前に、今の職場でできる工夫を探してみましょう。
実践例：
- 自主的なプロジェクトを立ち上げる
- 自分の得意を生かせる業務を提案する
- 他部署と連携して新しい視点を得る
小さな変化が、大きなやりがいにつながることもあります。
ステップ4：柔軟なキャリアの選択肢を持つ
「この会社で出世するしかない」と思い込まず、副業やフリーランス、業務委託など多様な働き方も視野に入れることで、自分らしさを保ったキャリア設計が可能になります。
ステップ5：やりがいのある人間関係を築く
どんなにやりがいのある仕事でも、人間関係が悪ければ続けられません。
信頼できる仲間や共に挑戦できる同僚との関係が、キャリアの満足度を大きく左右します。
人とのつながりは、やりがいの“源泉”です。
よくある誤解と失敗例
キャリアにおいて「やりがいを重視したい」と思っても、そこには多くの誤解や落とし穴が存在します。
以下に、よくある誤解とその失敗例、そして対処法を紹介します。
誤解①：やりがいは「好きなこと＝仕事」にすれば得られる
自分の「好き」を仕事にすれば自動的にやりがいが生まれると考えがちですが、現実はそう簡単ではありません。
好きなことでも、納期や収益プレッシャーが加わると「義務」に変わり、逆にストレスになることも。
対処法：やりがいとは「誰かの役に立っている」「成長を感じる」といった内的な満足感から生まれることが多いです。好きなことだけでなく、「得意なこと」「社会に求められていること」との交差点を探しましょう。
誤解②：昇進しないと評価されない
昇進がキャリアの成功とイコールだと思っていませんか？
実際には、スペシャリストとしての道や独立・副業など、別の価値観で活躍する人も増えています。
対処法：社内評価だけでなく、自分が納得できる「成果」や「変化」に目を向けてみましょう。上司の承認よりも、自分の中にある“納得基準”を明確にすることが大切です。
誤解③：やりがい重視＝収入を捨てる覚悟が必要
「やりがいを求めるとお金は稼げない」と思い込んでいませんか？
確かに収入がすぐに上がるとは限りませんが、やりがいを追求することで高い成果を出せるようになり、結果として評価や収入が伴うケースもあります。
対処法：短期的な収入ダウンを受け入れる戦略的判断も必要です。しかし「やりがい＝収入ダウン」ではなく、「やりがいを通じて価値を生み出す→結果として報酬が上がる」という中長期視点で見ることが重要です。
誤解④：やりがいのある仕事は、自然と巡ってくる
「いつかやりがいのある仕事が見つかるはず」
と待ちの姿勢でいると、現状に不満を抱いたまま時間だけが過ぎてしまうことも。
対処法：まずは今の仕事の中で「小さなやりがい」を見つける努力が重要です。たとえば「感謝される瞬間」や「自分なりの工夫が活かせた場面」など、ポジティブな経験を積み重ねることでやりがいを自ら育てていく姿勢が大切です。
Q&A：キャリアの悩みに答えます
読者の皆さんからよくいただくキャリアに関する悩みに、実践的なアドバイスとともにお答えします。
Q1. やりがいとお金、どちらを優先すべきですか？
長期的な視点で見れば、やりがいは「成長意欲」や「継続力」につながり、結果として収入にも反映されます。
ただし、生活に支障をきたすレベルで収入が低いと本末転倒です。
最低限の経済的安定を確保したうえで、やりがいを追求するのが理想です。
Q2. 会社ではやりがいを感じられません。転職すべき？
転職は一つの手段ですが、まずは現在の職場で「やりがいを感じられない理由」を明確にしましょう。
それが「仕事内容」「人間関係」「評価体制」のどれかによって対処法は変わります。
転職の前に異動や業務改善提案など、社内でできるアクションも試す価値ありです。
Q3. 家族に昇進を勧められますが、自分は気が進みません。
家族の期待と自分の価値観の間で葛藤することはよくあります。
ただし、自分の人生は自分のものです。
丁寧に話し合い、自分にとっての幸せの形や価値観を伝えることで理解を得られることもあります。
Q4. 自分にとってのやりがいが何か分かりません。
まずは「これまで夢中になったこと」「人から感謝された経験」「時間を忘れて没頭したこと」を振り返ってみてください。
そこに共通する要素が、あなたのやりがいのヒントになります。
また、小さなチャレンジを積み重ねることで、やりがいが明確になるケースも多いです。
Q5. 周囲がどんどん昇進していて焦ります。
他人と比較すると焦りや不安が生まれがちですが、キャリアは「自分のゴール」に向かって進むマラソンです。
周囲のスピードに流されず、自分の価値観を大切にしたペースで進めば、結果的に満足度の高いキャリアになります。
まとめ
”あなたにとっての成功とは何ですか？”
昇進や収入アップだけが、キャリアの成功とは限りません。
やりがい、自由、時間、人間関係……
どれもかけがえのない価値です。
大切なのは、「周囲が求める成功」ではなく「自分が納得できる生き方」を選ぶこと。
今の時代はそれが出来る時代になりました。
あなたにとっての成功を明確にし、それに向かって励んでいきましょう！！
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